
男の目には様々なモノが宿っていた。
そこには絶望もあるが希望もある。
悲しみもあるが喜びもある。
不安もあるが満ち足りてもいる。
諦めとも言えるし、悟りとも言える。
TTT(THE TOKYO TOILET)というプロジェクトは
安易に言葉にできない重みを持つ。
一人の清掃員の日々のRoutineを通して日常と非日常、変わるモノと変わらないモノ
精神と肉体、修道と世俗を描き出す。
彼の目を通して一見相反するとみられる様々な対象を浮かばせたのだと思う。
こちら側に言葉にすることのできない不穏な感情を呼び起こさせる。
(川上未映子さん)
作中で三浦友和が、結局何もわからなかった、と言った。
「運び屋」の中でクリント•イーストウッドが、オレの人生は間違いだらけだった、と言ったのを思い出す。
オレの怠惰な脳が珍しくせわしなく反応している。